企業価値という言葉からあれこれ - 価値観、航空貨物etc...
仕事の中で企業価値という言葉を目にしたら、価値という言葉に久々に出会った気がして、色々考えてしまった。
▪︎価値観を考えるのはクセの様なものだ。
▪︎企業価値という言葉から
▪︎価値
▪︎価値観
▪︎とある経営者の価値観における企業価値の話に戻ろう
▪︎価値は変わり続けるという事
▪︎同じ届けるでも提供する価値が違う
▪︎話は逸脱するが
▪︎価値観を考えるのはクセの様なものだ。
人との意見が食い違う度、思いもよらない意見が発される度、私はその人の価値観について考える。この人は何を大事に思っていて、何が美徳なのか。何がやりたくて、やりたくなくて、得意で苦手なのか。
価値観は人それぞれで、同じである必要はない。違うからこそ面白いし、近いからこそ居心地が良い。
そんな事をよく考える。
▪︎企業価値という言葉から
仕事柄最近よく "企業価値" という言葉を目にする。とある経営者はこう言う。「社会的責任を果たすべく、時代を超えてどれほど努力を積み重ね続けてきたかということにこそ価値がある。」
価値、、、あまり考えてこなかったな。
人事の時は、社員学生にとって良い会社、営業では数字、丁寧なサービス。ここに来て、考えさせられるのは、企業価値。対投資家、対社会の姿勢、価値がなんなのか明確化が求められる。
自営業の実家としての企業価値は、目の前の人により添った上でサービスを提供する事だろう。
▪︎価値
私の中での解釈は、"それが存在している事の意義"だった。ところが調べてみると、"どれくらい大切か、どれくらい役に立つかという程度。"と言う事らしい。私の解釈と実質同じ様な事を言っている気がするが、なんか違う気がする。
英語で言う"価値"に相当する"value"の意味はどうだろうか。
noun
1.the regard that something is held to deserve; the importance, worth, or usefulness of something.
2.principles or standards of behaviour; one's judgement of what is important in life.
・deserveは、"値する"という意味。
・importance 重要性。
・worthは直訳だと"価値がある"だが、それだと循環してしまうので、一旦これも英英で調べて日本語に戻すと、十分に"良い" "重要だ" "面白い"とされるもの
・useful 有用性
なんとなく、こっちの方が価値を噛み砕いている気がする。
2.は日本語で言う価値観の事だろう。
▪︎価値観
何に価値があると認めるかに関する考え方。 価値(善・悪、好ましいこと・好ましくないこと、といった価値)を判断するときの根底となる ものの見方。 ものごとを評価・判断するときに基準とする、何にどういう価値がある(何には価値がない)、という判断。
らしい。考えてるそのままだな。
▪︎とある経営者の価値観における企業価値の話に戻ろう。
「社会的責任を果たすべく、時代を超えてどれほど努力を積み重ね続けてきたかということにこそ価値がある。」
面白いと思った。まず会社は利益を上げなければやっていけない。その為には人の役に立たなければいけない。更にはそれだけでなく、社会の中において役割を果たさなければならない。その為には、努力をし続けなければならない。その積み重ねが企業価値だ。なるほど。仰る通り。経営者の言葉、面白いな。稲盛和夫さんの本持ってるからちゃんと読んでみようかな。
ここで面白いな思ったのは、価値=努力の積み重ねというところだ。つまり価値=努力の積み重ねによる変化、成長だろう。インフラ業界しか知らないけれど、役割として社会に一定のサービスを提供し続けなければならない。けれど、変化していく社会に対して、サービスを提供し続ける為には企業自身も変わり続ける必要がある。
ふと、アイドルも一緒だなと思った。夢や希望を同じ人間として成長していくファンに届け続けるには、アイドル自身も成長していかなければいけない。
▪︎価値は変わり続けるという事
好奇心をなくしたら、探究心をなくしたら、人間、死んだも同然。どっかの本で読んだし、きっと何回も身近な友達からも聞いた。
ただ追求する上でもスタンスは人それぞれで、それも価値観なんだろう。
企業人としては失敗は避ける様最大限の努力をすべきだけれども、一人間としては失敗しても良いと思うし、失敗した時にこそ一番学びがあると思っている。籠ってても駄目だ。話して違和感を覚えて、考え抜く。
▪︎同じ届けるでも提供する価値が違う
就活時代に同じく物流業界を目指していた友達に会った。彼女とは面接の会場が度々同じになり、再会したのは実に3年ぶりだったが、楽しかった。
彼女は航空貨物業界で働いている。同じ"運ぶ"同士、仕事の話を聞いていると、同じところと異なるところがあった。
同じことは、我々が運ぶということ。お客様は安全に確実に届けて欲しいと思っていること。現場があること。貨物はあること。
違うところは提供する価値。求められること。貨物の価値。船で運ぶのは時間がかかる。但し一度に大量に運ぶから運賃が安い。航空貨物は運賃が高いが、早い。
それに伴い働き方のスタイルも大きく異なる。船のオペレーターは顧客対応、貨物の対応、船への指示を一纏めに担う。
航空貨物会社の社員は、役割が細分化されている。兎に角スピードが求められるから、専任が一つの事に集中し、手早く処理していく。
お客様との関係性の違いも面白い。運ぶ事に差別化はなかなか難しいから、一回一回の信頼関係が重要だ。一つの船に一つの貨物を運ぶ船と、貨物も顧客も多岐に渡る航空と(コンテナもだけど) スピードを要するから、お客さんはいつも必死で切羽詰まってる様だ。
面白かったのは、飛行機でも運べないものはないよ、と言っていた事。通常船で運ぶが、船じゃ間に合わないものを飛行機で運ぶこともあるらしい。値段よりスピード、必死だ。
中に何が入ってるか運送状だけじゃわからない。お客様に聞くと、とあるグッズで、会場に間に合わなければ意味がないと言う。必死だ。グッズも鮮度が命で、グッズだと分かれば、Twitterでファンの手元に届いたか反応が分かる。自分の手配したものが、想定されていた人に届いたかどんな反応なのか見られるのは楽しいだろうなと思った。
▪︎話は逸脱するが
関空が水没した時の話を聞いた。関空が使えなくなったから、関東に貨物を。それも溢れて沖縄に荷物を持っていかざるを得なくなったという。通常3日で届くものが1ヶ月近くかかり、大変だったそうだ。
船も飛行機も海外から貨物が届いた時は保税地域にて輸入手続きを行わなければいけないが、やはり航空は制限が大きいなと感じた。きっちりがっちり規制のもとの航空と、世界単一市場の船の世界と。どちらも俄だけれども面白い。
よく、なぜ空港が好きなのかと質問されるけれども、海外と日本の間という、実に曖昧な空間ゆえ、働いている人も旅客も貨物も、ガチガチの規制や制度のもと秩序だって皆一様に手続きを受ける一見窮屈そうなのに、その秩序がかっこよく見える、またゲートを通ればここではないどこかに行ける。ターミナルでうろうろしてる人の中には言語も分からない人もいる。堅苦しさと秩序と解放と混沌が絶妙に混ざり合ってるから、ワクワクするのかもしれない。
結局空港が好きという話で終わってしまった。空港が好きなのも一つの価値観。