四季観賞を機に、ヲタク、ミュージカルに向き合う。
劇団四季って翻訳ものだけなの?という質問に、「オリジナルも、今やってます!」という回答一つで、劇団四季 オリジナルミュージカル、「ロボット インザ・ガーデン」観に行ってきました。
▪︎四季歴
初めて観に行ったのが、母親、妹、妹のバレエの同級生とお母さんと一緒に観に行ったキャッツ。それから、高校卒業直後に高校の同級生と観に行ったリトルマーメイド。2019年夏に見に行ったアラジンに、2020年頭に見に行ったパリのアメリカ人。それだけ。
▪︎ミュージカルとの出会い
初めてのミュージカル鑑賞は、青山劇場でのアニー。確か、その頃小学生だった私は、丁度バレエ団の子役オーディション期に、マルミヤプレゼンツの子役オーディションを見て、胸を打たれてたっけ。ただただタップに息を呑んだのを、そして少女の劇場に響く伸びやかな声を覚えている。
▪︎ブロードウェイミュージカルとの出会い
アニー観賞後、良い、華やかと言われる四季を数作品見るものの...(詳しくは後述
そんな中、大学2年から3年にかけた春休み、オーストラリア短期留学から帰る飛行機の中で、私は、運命の出会いを果たした。映画版ミュージカル「CHICAGO」リチャードギアが出てるやつだ。
冒頭のゴチャゴチャした楽屋シーン、血で染まった手を擦り洗いながら、ステージへ。怪しくも華やかでパワフルなショータイム。決してお上品とは言い難い。だけども、ステージの裏側に潜む混沌、パワー、女達の強さ、そして、ショー・ナイトシーンを裏支えする儚さ危うさを表現するその作品に息を呑まれた。3回観た。運命だった。
確か高校時代初めての短期留学では、洋楽と出会ったから、短期間でも海外経験は大きな影響を与えるんだな。また、行きたいな。
▪︎そもそもの鑑賞スタイル
自分は3歳から踊ってたから、どんな作品を観ても、やはりダンススキル面に目が行ってしまう。
そういう意味で自身が経験した子役という存在には、かなり刺さるものがあった。それで観に行ったのが、Billy Elliot。
ジャニーズJr.にハマったのも結局、自身の子役時代や、ダンス現役時代に重ねた事がきっかけだった。
だから、実は、踊るシーンがメインではない、劇団四季は幼いながらにあまり刺さらなかったのだ。
その意味では、逆に、クラシックバレエを中心に据えた、華やかなセットが特徴的な、パリのアメリカ人は大大大大大好きだった、、、。
▪︎では、何故ブロードウェイミュージカルに?
正味、クラシックバレエの技量に感動するのと、ブロードウェイミュージカルのビートに心を奪われるのと、どちらか自分にハマるかと言うと、後者だった。よくよく考えてみれば、結局ディズニーなのである。父親も吹奏楽部のトロンボーン、ジャズがよく流れてた。ビッグバンドが好きだったし、華やかなのが兎に角よかったんだ。
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上記の背景を踏まえて、今日感じた事を
▪︎悲しくなった
最近、作品を楽しめるかどうかは、文化資本が影響する、と言う事について考えていた。為、悲しくなった。
観た瞬間に圧倒的な素晴らしさを感じた。沢山の知人からミュージカル、演劇の話を聞いた上で臨んだ2年ぶりの四季。はぁ、周りは目が肥えてるのに、何で自分はこんな素晴らしいものに今まで気が付かなかったんだ。
育ちか?やっぱ田舎育ちの庶民だから、ジャニーズは分かっても四季は分からないのか?そう思った。
▪︎いやいやいや
ひとしきり悲しくなったが、ふと冷静になって気がついた。私、ずっと踊る側にしか着目してなかったわ。何故ならば踊りしか経験がなかったから。しかしながら、何故だかミュージカルが好きだった。だけど、イマイチ分からなかった。そんな状態だった。
単純に文化資本云々かんぬんではなく、ミュージカルの中で、最大の役割を果たす、歌声というものに着目していなかったから、わからなかっただけだった。と気がついた。
クラシックバレエよりも、大胆に、ジャズダンス単体よりも分かりやすく、ステージは華やかに、ハーモニーは美しく。それくらいにしか考えていなかった。
▪︎結局今回何故味わえたのか
今回心底ミュージカルを楽しめたと思えた要因としては、二つ考えられた。一つは、有識者からの教受。元四季ヲタ先輩などに、ミュージカルは、踊りながら歌う素晴らしさよ。と言われた。その時にぽんと膝を打てた。あぁ、結局観賞って、自分自身と重ね合わせ、自分自身の技量を上回るパフォーマンスを観た時に、感動するんだなって。
二つ目は、ひとえにジャニーズ。そもそも歌なんてあんまり興味なかった。音楽は興味あったけど。ただ、推しを観ていると、だんだん歌が上手くなったり、様々なグループが歌ってる中でも優劣が見えてきたり、自分自身も生まれて初めてジャニヲタになって、進んでカラオケに赴く様になって初めて、歌を歌うという表現の奥深さに気が付けた。これは本当に大きい。
▪︎観賞はつまりスキルを見るものなのか
スキルなのかなぁと思って観ていた。でも違った。ストーリーだった。捻くれ者の私は今まで、物語のお話なんて、パンチが効かなきゃ、ダークサイドがなきゃ、面白くないと思ってた。でも、そうでは無い。技量の高い演者が、カンパニー、その技量を余す事無く使って、創り出す空間、物語、そこに動かされる心に意味があると思った。
真っ直ぐな物語。シンプルで大事な事。シンプルであればある程、様々な経験をしなければ、自分の心の中には響いてこない。そういった意味で、大人になって、観劇をするというのは、また、良いものだな、と思った。
▪︎ストーリーを受け止める姿勢
勿論自分自身が様々な経験をしたからこそ、刺さる台詞や、場面があると思った。だけれども、やはり日頃、アイドルの半生というストーリーに触れているからこそ、より、この限られた数時間で魅せられる作品に感動するんだなと思った。
作中の人物が、たった数時間で、観客をストーリーの世界に連れて行き、心を揺り動かす。改めて、何て素敵な経験なんだろうと思った。
▪︎タング
ライオンキングを見ていない非国民なので
パペットもの、初めてで、正直不安を感じていた。だけども、もう本当にタング可愛かった。ガラスの目に入る光の量や、目の角度が、本当にタングの心を映し出している様で、愛おしかった。可愛かったなぁ...
ミニタング🤖 劇中のタングは段違いに更に可愛い♡
▪︎舞台
何で日本の劇団四季のオリジナルミュージカルなのに、登場人物も舞台も海外なの?と最初は少しいじけていた。しかしながら、徐々にそのメッセージ性、物語の温かみを感じるにつれて、きっと四季が伝えたいメッセージを含む作品が、ロボット インザ・ガーデンだったんだろうな、ってほっこりしました...
▪︎ロボット
今日は丁度ラボットオーナーさんが観劇されている日だった様で、オーナーさんが皆さんご自分のラボットを抱き抱えて観劇していらした。共働きや不妊など、必ずしも子供を授る事が出来ない中、ペットだけで無く、ロボットを愛情を持って家族として迎え入れるのも、また一つの在り方なんだろうな、と考えた。